Windows XPの限界

OSのサポートが終了したパソコンで発生する問題とは

Windows XPを搭載しているパソコンは、購入してからすでに長い期間が経過している場合が多いはずです。こうした古いOSやパソコンを使うリスクを考えてみましょう。

サポートが終了したWindows XPを使う問題とは?

パソコンに搭載されているOSが古いと何が困るのでしょうか? 例えば、発売から長い年月が経過したWindows XPの場合、サポートが完全に終了する2014年4月9日以降は、たとえOSに重大な欠陥や不具合が見つかったとしても、それを修正するための更新プログラムが提供されなくなります。このため、OSの欠陥を突いた攻撃をするウイルスなどに感染しやすくなったり、不具合を逆手にとった外部からの攻撃に対して無防備になったりする可能性があります。ひとたびパソコンがウイルスなどに感染すれば、パソコンの大切なデータが失われる可能性があるばかりでなく、インターネットを介して会社や友だちのパソコンに被害を広げ、ほかの人に大きな迷惑をかけてしまうかもしれません。

HINTWindows XPのサポート期限は?

Windows XPのメインストリームサポート(無償サポートなどを含む基本的なサポート)は2009年4月にすでに終了し、セキュリティ更新プログラムなどの最低限のサポートのみが提供される延長サポート期間も2014年4月8日までとなっています。延長サポートが終了すると、Windows XPに重大な問題が発生しても改善されることはありません。

HINT古いパソコンの継続利用は非効率的

Windows XPを搭載した古いパソコンは、現在発売されている最新のパソコンに比べて処理能力が低く、消費電力も高くなりがちです。「もったいない」と、古いパソコンを使い続けることは、実はパソコンを使った作業の効率を下げたり、無駄に電力を消費することにもなりかねません。

HINT未対応製品の増加で継続利用が難しくなる

Windows XPのサポートが終了すると、対応するハードウェアやソフトウェアも市場から次第に姿を消すことになります。このため、今後Windows XPを搭載したパソコンを仕事や趣味に使おうと思っても、対応するハードウェアやソフトウェアが入手できなくなる可能性が高くなります。

古いパソコンを使い続ける場合の問題

Windows XP以前の古いパソコンは、使い慣れている反面、経年劣化によるトラブルに悩まされ、最新の技術から取り残されて未対応のハードウェアやソフトウェアが増えて使いにくくなっていくリスクを抱えています。ハードディスクの故障、冷却用ファンの性能低下による過度の発熱、メモリーのエラーなど、パソコンが古くなると故障やメンテナンスの機会が増え、機会損失の発生やコスト負担の増加を招くことがあります。「まだ使える」と古いパソコンを使い続けることが、結果的に手間やコストの増加につながる可能性もあります。

HINTWindows XP以降のOSのサポート期限とは

Windows XP以降のOSは、2014年4月9日以降もサポートが継続され、Windows Vistaは2017年4月11日まで、Windows 7は2020年1月14日まで更新プログラムが提供される予定です。Windows 7を利用している場合であれば、当面はサポート期限の心配をしなくて済みますが、Windows Vistaの場合は3年後にWindows XPと同じく期限が到来するので早めの移行を検討すべきでしょう。

HINTOffice 2003のサポートもXPと同時に終了する

2014年4月9日には、Windows XPだけでなく、Office 2003のサポートも終了します。サポートが終了すると、セキュリティ更新プログラムが提供されないため、古いOSの利用と同様にセキュリティ上のリスクがあります。マクロを装って巧妙に侵入する悪質なウイルスなども存在するので、Office 2013やクラウドサービスのOffice 365に速やかに移行しましょう。

テクニックセキュリティ対策ソフトでは対処しきれない

Windows XPのサポートが終了しても、セキュリティ対策ソフトがインストールしてあれば安心? 決して、そうとは言い切れません。セキュリティ対策ソフトは、言わば門の前で家を守るガードマンです。いくら優秀なガードマンを雇っていたとしても、扉の鍵が壊れていたり、窓のガラスが割れていると、家を守り切ることは難しくなります。OSのサポートが終了するというのは、壊れた鍵や割れた窓を誰も修復してくれないことを意味します。セキュリティ対策ソフトでも発見できない巧妙な手口などを使われたら、パソコンを守ることはできません。

PointWindows XPを使い続けるリスク

「まだ使える、もったいない」。このような考え方は、進化が速いITの世界では、ときにリスクになりかねません。特にサポート終了の2014年4月9日以降もWindows XPパソコンを使い続けることは、ウイルスやスパイウェア、外部からの不正アクセスなどに対抗できなくなるため、非常に危険です。そもそも、古いパソコンやOSを使い続けることは、生産性を低下させるだけでなく、トラブル対応に無駄な時間とコストを費やす上、エコともほど遠い存在です。古いパソコンを使い続けるリスクを理解し、できるだけ早く新しいパソコンへと移行しましょう。
XPパソコンからの乗り換え手順をステップ・バイ・ステップで進める場合は、次の記事「Windows 8.1/7とWindows XPの違いとは」に進んでください(関連記事の一覧はこちらに掲載しています)