URLのリストからQRコードを作成

雑誌や書籍、広告、チラシなどでよく見かけるQRコード。スマートフォンなどで読み取れば、商品や詳細内容などのWebページを簡単に表示できて便利です。

しかし、制作側の人にとっては、QRコードの作成にはひと手間かかるもの。WebページのURLをQRコードにする場合、Webブラウザーの機能を使って作成することもできますが、1ページずつQRコードを作成・保存していくのは面倒です。

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

Chromeでは、アドレスバーの右端にある[このページを共有]ボタンからQRコードを作成可能ですが、1つずつ作成するのは現実的ではありません。

QRコードを一括作成できるWebサービスもありますが、公開前やユーザーを限定したいWebページのURLは、運営元がよく分からないサービスに入力するのは気が引けるでしょう。そのようなときにオススメなのが、Googleスプレッドシートを使ってQRコードを一括作成する方法です。

URLのリストが表形式でまとまっていれば、Googleのサービス(Google Chart API)と、Googleスプレッドシートの「IMAGE関数」を組み合わせることで、大量のQRコードを簡単に作成できます。作成したQRコードは、1点ずつ保存するのはもちろん、まとめてパソコンにダウンロードすることも可能です。

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括作成し、1点ずつ、または一括でダウンロードする方法を順に見ていきましょう。

QRコードを一括作成する

GoogleスプレッドシートでのQRコードの作成には、Google Chart APIとIMAGE関数を利用します。難しく考える必要はなく、以下のような数式を入力し、コピーするだけです。

  =image("http://chart.apis.google.com/chart?chs=200x200&cht=qr&chl=" & A2)
  

IMAGE関数は、引数として指定された情報を画像にする関数で、「=IMAGE(URL)」という構文になります。

上記の数式では、引数[URL]として「"http://chart.apis.google.com/chart?chs=200x200&cht=qr&chl=" & A2」が入力されています。このうち、「http://chart.apis.google.com/chart?」は固定で、「chs=200x200」はQRコードのサイズを表しています。ここでは200×200ピクセルを指定しています。

そして、「cht=qr」はQRコードを表示するという意味で、「chl=」でQRコードに含める情報(URL)を指定します。上記の数式ではセルA2に入力されたURLからQRコードを作成するので、「&」で連結して「chl=" & A2」となっています。

画面での具体的な操作方法は、以下の通りです。

1IMAGE関数を入力する

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

A列に入力されているURLからQRコードを作成し、B列に表示していきます。セルB2にIMAGE関数を含む数式「=image("http://chart.apis.google.com/chart?chs=200x200&cht=qr&chl=" & A2)」を入力します。

2QRコードが表示された

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

セルB2にQRコードが表示されました。

3数式をコピーする

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

セルB2の数式をコピーすれば、ほかのセルにも表示されます。たったこれだけで完了です。

QRコードを1点ずつダウンロードする

作成したQRコードを、画像ファイルとしてダウンロードしましょう。ただし、スプレッドシート上から直接ダウンロードはできません。いったんHTMLファイルとして保存し、Webブラウザーで表示してからダウンロードします。

1HTMLファイルとして保存する

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

Googleスプレッドシートの[ファイル]メニューを開き、[ダウンロード]→[ウェブページ(.html)]の順にクリックします。

2ダウンロードしたフォルダーを開く

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

ダウンロードされたファイルをクリックします。画面左下に表示されていない場合は、[ダウンロード]フォルダーからファイルを開いてください。

3HTMLファイルを表示する

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

ダウンロードしたフォルダーの内容が表示されました。HTMLファイルをダブルクリックします。スプレッドシートに含まれるシート名により、HTMLファイルのファイル名は異なります。

4HTMLファイルを表示する

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

新しいタブにHTMLファイルの内容が表示されました。QRコードを右クリックして[名前を付けて保存]を選択すると、QRコードが画像として保存されます。

QRコードをまとめてダウンロードする

せっかくQRコードを一括で作成したのですから、一括でダウンロードする方法も覚えておきましょう。先ほどダウンロードしたHTMLファイルと、新規のGoogleドキュメントを利用します。

1HTMLファイルの内容をコピーする

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

先ほどダウンロードしたHTMLファイルを表示しておき、[Ctrl]+[A]キーを押して全選択します。そのまま[Ctrl]+[C]キーを押してコピーします。

2Googleドキュメントに貼り付ける

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

新規のGoogleドキュメントを作成しておきます。[Ctrl]+[V]キーを押し、コピーしたHTMLファイルの内容を貼り付けます。

3HTMLファイルとして保存する

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

Googleドキュメントの[ファイル]を開き、[ダウンロード]→[ウェブページ(.html、zip)]の順にクリックします。

4ダウンロードしたフォルダーを開く

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

ダウンロードされたファイルをクリックします。画面左下に表示されていない場合は、[ダウンロード]フォルダーからファイルを開いてください。

5QRコードを確認する

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

ダウンロードしたフォルダーの内容が表示されました。[images]フォルダーをダブルクリックします。

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

QRコードの画像ファイルが保存されていることを確認できました。

画像ファイルを開けばQRコードを確認できます。画像名は「image1」「image2」と連番になっているので、名前を変更(リネーム)して利用しましょう。

HINTIMAGE関数のURLから直接ダウンロードも可能

IMAGE関数に指定した引数[URL]は、Google Chart APIで作成されたQRコードの画像を表示できるURLとなっています。ここで紹介した例であれば「="http://chart.apis.google.com/chart?chs=200x200&cht=qr&chl=" & A2)」をセルに入力して、リンクをクリックすると、新しいタブに画像としてQRコードが表示されます。QRコードを確認しながらダウンロードしたいときは、この方法もおすすめです。

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

任意のセルに「="http://chart.apis.google.com/chart?chs=200x200&cht=qr&chl=" & A2)」と入力します。

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

表示されたURLをクリックします。

GoogleスプレッドシートでQRコードを一括生成する方法

QRコードが新しいタブに表示されました。右クリックしてダウンロード可能です。