仮想化ソフトウェアでトップシェアの実績

 ヴイエムウェアは1998年に米国で設立された、仮想化ソフトウェア業界をリードする企業です。安定した稼働実績が重要なこの業界で圧倒的な実績を持ち、仮想化ソフトウェアの開発・提供だけでなくコンサルティングや教育事業も展開。仮想化ソフトウェア市場の急成長を牽引しています。

 そして2009年5月には、プライベートクラウドに対応した"クラウドOS"(クラウドを構築するためのOS)として、「VMware vSphere 4」(以下vSphere 4)を発売しています。
▼ヴイエムウェア
http://www.vmware.com/jp/

仮想化スイートでプライベートクラウドを推進

 vSphere 4が「プライベートクラウド対応」をうたう理由は、単にサーバーを仮想化するだけではなく、多数の仮想サーバーを運用する上での柔軟性や可用性を高めるソフトウェアも含まれたスイート(一式の組み合わせ)になっているためです。

 vSphere 4でサーバーの仮想化を行う中心的なソフトウェアは「VMware ESX」または「VMware ESXi」と呼ばれ、VMware ESXiは単体での無償提供も行われています。そのほか、仮想サーバーで実際のストレージよりも多くの容量を割り当て、ストレージの使用率を向上させる「VMware vStorage Thin Provisioning」などが含まれています。

 これらにより、従来製品の「VMware Infrastructure 3」よりもサーバーの統合率が約30% 向上、最大50%のストレージ容量節約、そして消費電力の20%削減につながるとしています。

●VMware vSphere 4の代表的な機能

高い可用性を実現する「Fault Tolerance」

 さらに、vShpere 4には「落ちない」プライベートクラウドを実現するためのさまざまな機能が備わっています。

 物理サーバーに故障が発生したときは、そこにあった仮想サーバーを「VMware VMotion」が自動的に別の物理サーバー上に移動させます。また、2台の仮想サーバーでシステムを二重化する「VMware Fault Tolerance」は、2台の仮想サーバーの片方にトラブルがあった場合はもう片方が処理を引き継ぎ、さらに、新しいサブの仮想サーバーを立てることまで自動で行います。

 プライベートクラウド全体の管理には、シンプルかつ柔軟な管理ツールである「VMware vCenter Server」を利用します。全体の必要リソースを管理し将来の使い方を予測できる一方で、個々の物理サーバーを詳細に管理することも可能です。

●VMware Fault Toleranceの動作イメージ

教育サービスやパートナー企業が導入を支援

 ヴイエムウェアの仮想化ソフトウェアを導入する方法は2通りあります。1つは、自社の技術者が導入する方法です。ヴイエムウェアには企業の技術者向けの教育サービスがあり、教育コースと認定試験で必要な技術を身につけられます。

 もう1つは、ヴイエムウェアのパートナー企業が提供するサービスやソリューションを利用する方法です。全社的なサーバーの仮想化を伴うような大規模案件は、こうしたパートナー企業の力を借りずに実現するのは難しいでしょう。

 また、新規に購入するサーバーを仮想化する、仮想化されたサーバーをホスティングするといった方法もあります。パートナー企業などの詳細は、ヴイエムウェアのサイトでも確認できます。

[ヒント]仮想環境をまとめて保護できる「VMware VMsafe」

vSphere 4で採用されている重要な技術の1つに、「VMware VMsafe」があります。これはパートナー企業が提供するセキュリティソフトと連携するためのインターフェース(API)として提供され、仮想化ソフトウェアとその中で動作するさまざまなOSの環境をウィルスなどの脅威からまとめて保護できるという、これまでにない新しい特徴を持っています。すでにシマンテック、トレンドマイクロなどの主要なセキュリティベンダーが対応を表明しています。

[ヒント]パートナー企業がさまざまな仮想化ソリューションを提供

ヴイエムウェアの仮想化ソフトウェアは、パートナー企業を介してさまざまな形で提供されています。その1つが、仮想化ソフトウェアを導入した物理サーバーとしての提供です。HP、IBM、NEC、デル、富士通などの企業では、物理サーバー+仮想化ソフトウェアの総合的なソリューションを提供しています。一方、物理サーバーがすでにある場合は、仮想化ソフトウェアの導入をシステム事業者(SIer)に依頼するのがよいでしょう。NTTデータや日立情報システムズなどが、コンサルティングからシステムの導入までを手がけています。また、ホスティング(サーバーレンタル/委託管理)で仮想サーバーが利用できるサービスもあります。こちらは、NTTコミュニケーションズやソニーなどが提供しています。
▼NTTコミュニケーションズ Bizホスティング エンタープライズ
http://www.ntt.com/icto/bizhosting-enterprise/
▼ソニー bit-drive マネージドイントラネット
http://www.bit-drive.ne.jp/managed-intranet/