アプリ経由で契約すると損をする!?

最近では、「月額いくら」で契約するサブスクリプションの動画配信サービスが人気です。代表的なサービスには、YouTubeを広告なしで視聴できる「YouTube Premium」、Amazonのヘビーユーザーにおすすめの「Amazonプライム・ビデオ」、オリジナル作品が充実している「NetFlix」(ネットフリックス)などがあります。

スマホやタブレットだけでなく、テレビで視聴することもできて便利なので、多くの人が1つは契約しているのではないでしょうか? また、年末年始などの長期休暇時には、たくさんの作品を「いっき見」したい人も多いと思います。

ただ、一度契約したら継続的に料金が発生するので、いくらかかるのかをしっかり把握したうえで、納得して利用したいものです。複数のサービスを利用するとなれば、ひと月の支払いもけっこうな金額になってしまいます。

そこで気をつけておきたいのが、こうしたサブスクの料金は、Webサイト経由で契約する場合と、スマホやタブレットのアプリ経由で契約する場合で金額が異なる場合があるということです。

例えば、以下はYouTube Premiumを契約するときの画面ですが、Webサイト(左)とアプリ(右)では月額料金に370円もの違いがあることが分かります。

サブスクの料金をチェックしておこう

YouTube Premiumを契約するときの画面です。左側のWebサイト経由では月額「1,180円」、右側のアプリ経由では月額「1,550円」と、料金に370円もの違いがあります。

Webサイト経由よりもアプリ経由のほうが割高になるのは、アプリストアを運営するAppleやGoogleの手数料が影響しています。しかし、ユーザーにとっては単純に損でしかありません。

本記事では、動画配信サービスに加え、音楽配信サービスやその他のサブスクも含めて、Webサイト経由とアプリ経由での料金の違いをまとめました。少しでもお得に利用できるよう、新規契約時や再契約時の参考にしてください。

動画配信は一般にWebのほうがお得

まずは動画配信サービスです。代表的なサービスにおける、Webサイト経由とアプリ経由での月額料金を以下の表にまとめました。「差額」は「アプリ経由 ー Webサイト経由」の金額になっており、大きいほどアプリ経由のほうが割高、ということです。

主な動画配信サービスの月額料金
サービス名 Webサイト経由 アプリ経由 差額
YouTube Premium 1,180円 1,550円 +370円
Amazonプライム・ビデオ 500円 480円 -20円
Netflix 780~1,980円 780~1,980円 0円
Hulu 1,026円 1,050円 +24円
U-NEXT 2,189円 2,400円 +211円
Disney+ 1,000円 990円 -10円
Apple TV+ 900円 900円 0円

冒頭でも紹介したYouTube Premiumは、Webサイト経由のほうが圧倒的にお得ですね。

Amazonプライム・ビデオは、一見するとアプリ経由のほうが安いのですが、Webサイト経由では「Amazonプライム」の契約となり、ビデオだけでなくAmazonの配送料無料、音楽配信サービスの「Amazon Music Prime」も利用できます。アプリ経由ではビデオのみとなるので注意してください。また、Webサイト経由では年額4,900円での契約も可能で、ひと月あたり408円とさらに割安になります。

Netflixは、Webサイトとアプリ経由のどちらでも同じ料金となります。ただ、複数のプランがあるため、その選択に注意してください。最初は以下の左側のような画面が表示されますが、[すべてのプランを表示]から隠れたプランを表示できます。

サブスクの料金をチェックしておこう

NetflixのWebサイトにあるプランごとの料金表です。[すべてのプランを表示]をタップすると、隠れていた「ベーシック」プランが表示されます。

音楽配信は統合サービスも検討

続いて、音楽配信サービスを見ていきます。代表的なサービスの月額料金は以下の表の通りです。

主な音楽配信サービスの月額料金
サービス Webサイト経由 アプリ経由 差額
YouTube Music Premium 980円 1,280円 +300円
Amazon Music Unlimited 980円
(プライム会員は880円)
980円
(プライム会員は880円)
0円
Apple Music 1,080円 1,080円 0円
Spotify 980円 980円 0円
AWA 980円 990円 0円
LINE MUSIC 900円 900円 0円

主な音楽配信サービスでWebサイト経由とアプリ経由の料金に差はありませんが、YouTube、Amazon Music、Apple Musicについては、動画配信などをセットにした統合サービスが用意されています。利用スタイルにあわせて選択するのがスマートです。

例えば、「YouTube Music Premium」は前述のYouTube Premiumに含まれており、これらの料金の差額は200円です。この差なら、YouTube Premiumを契約したほうがYouTubeの広告を非表示にできてお得だとも考えられます。

「Amazon Music Unlimited」は、Amazonのサブスクのうち音楽配信に特化したサービスで、前述したAmazonプライムに含まれるAmazon Music Primeよりも機能や音質の面で優れています(Amazon Music Primeはシャッフル再生のみ)。しかし、BGMとして楽しむ程度であれば、Amazon Music Primeでも十分でしょう。

Appleの音楽配信サービスである「Apple Music」も、月額1,200円の「Apple One」という統合サービスに含まれています。Apple Oneを契約すれば、Apple Musicのほか、動画配信サービスの「Apple TV+」、ゲームサービスの「Apple Arcade」、クラウドストレージの「iCloud+」も使えるようになります。

サブスクの料金をチェックしておこう

iPhoneやMacのユーザーで、音楽以外にも動画やゲーム、ストレージも利用したい人にはApple Oneがおすすめです。家族で利用できるプランもあります。

動画・音楽以外も事前にチェック

最後に、動画・音楽以外のサービスについても触れておきましょう。

料理のレシピやフィットネス、ファッションなど、サブスクリプション契約が用意されているサービスは他にもいろいろあります。動画・音楽と同様に、Webサイト経由とアプリ経由で料金に差があるかもしれません。落ち着いて契約前に比較するようにしましょう。

例えば、レシピサイトの「クックパッド」のプレミアム会員料金は、Webサイト経由とアプリ経由で92円の差があります。

サブスクの料金をチェックしておこう

クックパッドの料金表です。Webサイト経由(左)での月額料金は「308円」ですが、アプリ経由(右)では「400円」となっています。

ひと月ではわずかな差でも、数カ月、数年と契約期間が長くなれば、無視できない金額になってきます。アプリ経由のほうが契約や決済が簡単というメリットもありますが、割高であることを知らずに契約してしまわないよう、プランの選択も含めてチェックしてみてください。