関数内での名前の付与

LET 名前を付けた計算結果や値を関数内で利用する

対応バージョン:365

[式]に[名前]を付け、[計算]で利用できるようにし、その計算結果を返します。

入力方法と引数

LETレット名前1, 式1, 名前2, 式2, ..., 計算

名前 [式]の計算結果に付ける名前を指定します。
[名前]を付ける式を指定します。
計算 LET関数が返す値の計算方法(式)を指定します。関数内で指定した[名前]が計算に使えます。

使用例1「里」と「町」で指定された距離をkm単位に換算する

※1里を3.9273km、1町を0.109kmとして計算しています。

=LET(RI,3.9273,CHO,0.109,B3*RI+C3*CHO)

LET関数の使い方 - 数式の計算結果や値に名前を付けて、関数内で利用する

使用例2生徒の名前を指定して担当教官の名前を一覧表示する

=LET(LIST,FILTER(F3:G7,F3:F7=A3),IF(ISBLANK(LIST),"",LIST))

LET関数の使い方 - 数式の計算結果や値に名前を付けて、関数内で利用する

活用のポイント

  • LET関数は、Office 365でのみ利用できる機能です
  • LET関数の中で付けた名前は、関数内でのみ有効です。ほかのセルに入力した数式や関数の中では、その名前は使えません。
  • 使用例1では、3.9273という値にRIという名前を付け、0.109という値にCHOという名前を付け、それらの名前を後の[計算]で使っています。
  • LET関数を使って名前を付けておくと、式全体の意味が分かりやすくなるだけでなく、毎回再計算されることがないので、数式が大量に使われる大きな表での処理が速くなります。例えば、使用例2でLET関数を使わない場合、セルB6には「=IF(ISBLANK(FILTER(F3:G7,F3:F7=A3)),"",FILTER(F3:G7,F3:F7=A3))」と入力する必要があります。この場合、ISBLANK関数の中で使ったFILTER関数と、その後で使ったFILTER関数は、同じ値を返すにもかかわらず2回呼び出されます。LET関数を使ってFILTER関数の結果に名前を付けておくと、1回の計算で済みます。上の例ではFILTER関数の結果にLISTという名前を付けてあります。
  • 使用例2では、セルB6にLET関数を入力していますが、FILTER関数が複数の値を返すので、スピル機能によりセルB6〜C7に結果が表示されます。
  • 使用例2は、セルB6に「FILTER(F3:G7,F3:F7=A3))」と入力するだけでもうまくいきそうですが、FILTER関数は空のセルがあると0を返すので、セルC7に0が表示されてしまいます。なお、セルA5には「=FILTER(E3:E7,F3:F7=A3)」が入力されています。

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