アンケートの集計などで、縦横に項目が用意された表を見たことがありませんか? 例えば、以下のような表です。

【エクセル時短】アンケート集計に便利! COUNTIFS関数を使ってマトリクス表を作る

こうした表は「マトリクス表」や「クロス表」と呼ばれます。もとのアンケート結果と並べると以下のようになります。

【エクセル時短】アンケート集計に便利! COUNTIFS関数を使ってマトリクス表を作る

アンケート結果の一覧を「回答」と「年齢層」で集計し、それぞれを縦軸と横軸に並べているわけですね。

この例の場合、「回答」と「年齢層」という2つの条件を満たす人数を求めるため、一見難しそうです。しかし実は、COUNTIFS(カウント・イフ・エス)関数で簡単に集計できるのです。

エクセル時短】第76回では、COUNTIFS関数を使ったマトリクス集計の方法を紹介します。

最初にCOUNTIFS関数をおさらい

まずはCOUNTIFS関数のおさらいをしましょう。構文は以下のとおり。

COUNTIFS範囲1, 検索条件1, 範囲2, 検索条件2, ...

COUNTIF「S」の名が表すように、COUNTIFS関数は「複数の条件を指定できるCOUNTIF関数」のような働きをします。まずは入力に慣れるため、条件を1つだけ指定してみましょう。先ほどの例のC列(アンケートの回答)を対象に、E列の値(「不満」など)を検索して数えます。

1関数式を入力する

【エクセル時短】アンケート集計に便利! COUNTIFS関数を使ってマトリクス表を作る

表の左上にあるセルF3に、以下の関数式を入力します。

=COUNTIFS($C$3:$C$52,$E3)

2関数式をコピーする

【エクセル時短】アンケート集計に便利! COUNTIFS関数を使ってマトリクス表を作る

F列に関数式をコピーすると、「20歳以下」で「不満」の人数を求めることができました。先ほどの関数式では、検索対象の[範囲1]は絶対参照($C$3:$C$52)、[検索条件1]はE列を固定する複合参照($E3)で記述しているため、コピーしてもセル参照がずれないようになっています。

COUNTIFS関数に2つ目の条件を指定する

続けて、COUNTIFS関数に2つ目の条件を指定しましょう。2つ目の条件はB列(アンケートの年齢層)と、マトリクス表の横軸(「20歳以下」など)です。

1関数式を編集する

【エクセル時短】アンケート集計に便利! COUNTIFS関数を使ってマトリクス表を作る

COUNTIFS関数の関数式を編集し、以下のようにします。下線部分を2つ目の条件として[範囲2]に「$B$3:$B$52」、[検索条件2]に「G$2」と指定した形です。

=COUNTIFS($C$3:$C$52,$E3,$B$3:$B$52,G$2)

2関数式をコピーする

【エクセル時短】アンケート集計に便利! COUNTIFS関数を使ってマトリクス表を作る

関数式をマトリクス表のすべてのセルにコピーすれば完成です。[範囲2]は[範囲1]と同じく絶対参照、[検索条件2]は関数式を横方向へコピーすることを考慮し、2行目を固定する複合参照(G$2)となっています。

いかがでしたか? 難しそうなマトリクス集計も、COUNTIFS関数で簡単に作成できることがわかりました。

ただし、関数式をコピーするときに、セル参照がずれてしまわないように注意しましょう。絶対参照と複合参照の考え方は、ほかの関数式でも共通です。縦方向か横方向か、どちらにコピーしたいのかをよく考えて試してみてください。

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