トーク内容そのものでなく、使用スタンプなどを収集

SNSで「LINEはトークルームの情報を収集している」という情報が拡散しています。TwitterやFacebookで目にして、驚いた人も多いのではないでしょうか。

実際には「友達とのトーク内容を収集している」ということはありませんが、設定項目のわかりにくさもあって、誤解が拡散してしまっている状態です。本当はどのようになっているのか、なぜ誤解が生じたのかを解説しましょう。

LINEでは、2018年1月より「サービス向上のため」として、トークルームの利用情報の一部を実際に取得しています。友だちとのトークルームの場合、取得するのはトークの内容そのものではなく、使用したスタンプや絵文字、写真へのフィルターの種類など、サービスの利用状況に関するデータです。トークの相手や日時、既読情報などの、トークそのものではないものの、かなり細かい利用状況も取得しています。

このような実態なのに[トークルーム情報]という名前で情報提供のオン/オフの設定ボタンを提供しているため、よく調べないと「トーク内容のこと!?」という誤解が生じる事態になっています。

[トークルーム情報]の設定項目。詳しい説明や[利用する情報の詳細はこちら]をタップして表示された情報を読まないと、トークルームの情報をすべて収集するのかと誤解を生みそうです。

実際に取得する情報については、LINEの公式ブログでも詳細な説明を行っています。この説明によると、友達とのトークでは上記のとおりですが、企業の公式アカウントとのトークでは、テキストメッセージや画像などトーク内容そのものも収集するとしています(ただし、官公庁、自治体、政党、金融、病院、宗教に関連するものなど、LINEが特に機微な情報を扱う可能性があるとして指定したアカウントは収集の対象外)。

公式アカウントとのトーク内容を収集するのは、自動で会話する機能や「しりとり」機能を持つ公式アカウントの機能改善のためにデータを収集したいのだと推測されます。

▼LINE公式ブログの記事
サービス向上のための情報利用に関するご案内 : LINE公式ブログ

ユーザーに情報を提供するメリットはある?

[トークルーム情報]で、トークの内容そのものなどプライバシーにかかわる重要な情報が収集されるわけでないことはわかりました。では、トークルームの情報を提供することで、ユーザーが得になることはあるのでしょうか? 特にメリットがないなら、情報の提供は拒否してしまってもいいと思う人が多いでしょう。

LINE公式ブログの記事では、情報を「サービス上の不正対策」「LINE社のサービスの改善および研究開発」「ユーザーの関心に合ったコンテンツ及び広告の表示」に使うことを想定しているとしています。具体的にどうなるかはわかりませんが、可能性としては「多く使われているスタンプは人気だと見なされ、多くの人にレコメンドされる」といったことが想定されます。

トークルームの情報を提供して、ユーザーが直接的に得することはありません。また、提供をオフにすることの不利益も特にありません。ただ、情報を提供することでLINEのサービス改善が進んだり、自分の使い方が参考にされてサービス改善の方向性が少しだけ自分好みになったりする可能性はあります。

トークルーム情報の設定を変更・確認するには

「特にデメリットがないならトークルームの情報を提供しないようにしたい」という場合、または自分の設定を確認したい場合は、[設定]画面から以下の手順のように操作します。以下の画面はAndroid版ですが、iPhone版でも同様に操作できます。

1[プライバシー管理]画面を表示する

[設定]画面で[プライバシー管理]をタップします。

2[情報の提供]を選択する

[情報の提供]をタップします。

3[トークルーム情報]をオフにする

[トークルーム情報]をタップしてチェックマークをはずします。iPhone版ではオフにします。