【エクセル時短】は「少しでも早く仕事を終わらせたい!」というビジネスパーソンのみなさんに、Excelの作業効率をアップするワザをお届けする連載です。毎週木曜日更新。
過去の記事一覧はこちら【エクセル時短まとめ】

名簿などの表では、左端の列に通し番号を振ることがよくあると思います。この連番を入力する操作としては、セルの右下にある四角をドラッグする「オートフィル」が定番ですよね。

ただ、オートフィルで通し番号を振ったあとに行を入れ替えたり、追加・削除したりすると、連番が崩れてしまいます。あらためて連番を振り直すのは面倒......というときにおすすめしたいのが、「ROW」(ロウ)関数を使ったテクニックです。

エクセル時短】第13回では、ROW関数を使って常に変わらない通し番号を振る方法を紹介します。数値の連番だけでなく、「A101」といった英字を含む連番、「2017-001」といったハイフンを含む連番までマスターできます!

ROW関数で単純な数値の連番を振る

まずはROW関数の構文を見てみましょう。

ROW参照

引数[参照]に指定したセルの行番号を返します。省略した場合は、ROW関数を入力したセルの行番号を返します。

ROW関数で連番を振る操作は簡単です。例えば、3行目に当たるセルA3以降に「1」から連番を振りたければ、セルA3に

=ROW()-2

と入力します。ROW関数で行番号を求めて、前にある2行分を引くわけですね。実際に見てみましょう。

1ROW関数を入力する

エクセル時短:ROW関数で常に変わらない行番号を振る

セルA3に「=ROW()-2」と入力します。セルA3は3行目、「1」から連番を振りたいので「-2」しています。

2ROW関数をコピーする

エクセル時短:ROW関数で常に変わらない行番号を振る

セルA3に「1」と表示されました。セルA3の数式をコピーします。

3行を削除する

エクセル時短:ROW関数で常に変わらない行番号を振る

確認のため、表の途中の行を削除してみます。

4連番が振り直された

エクセル時短:ROW関数で常に変わらない行番号を振る

自動的に連番が振り直されました。行を挿入する場合は、挿入した行のA列に「=ROW()-2」と入力しておきます。

「A101」のように英字と数値を組み合わせる

英字と数値を組み合わせた連番でも対応できます。例えば「A101」から連番を振りたいなら

="A"&100+ROW()-2

と入力します。文字列を連結する「&」演算子と組み合わせる形です。

エクセル時短:ROW関数で常に変わらない行番号を振る

セルA3に「="A"&100+ROW()-2」と入力します。「"A"」で指定した文字列を「&」で連結します。「100+ROW()-2」は、100と行番号を足すという意味です。

「2017-001」のようにハイフン区切りの連番にする

「-」(ハイフン)も含めて連番にしたいときは、「TEXT」(テキスト)関数と組み合わせます。

TEXT, 表示形式

引数[]には、文字列に変換したい数値を指定します。引数[表示形式]には、[]の表示形式を「"」で囲んで指定します。表示形式の詳細は以下の記事を参照してください。

TEXT関数で数値に表示形式を適用した文字列を返す

例えば「2017-001」から連番を振りたいなら、

=TEXT(ROW()-2,"2017-000")

と入力します。

エクセル時短:ROW関数で常に変わらない行番号を振る

セルA3に「=TEXT(ROW()-2,"2017-000")」と入力します。TEXT関数で「ROW()-2」で求めた行番号を、「"2017-000"」の表示形式にします。

通し番号が間違ったまま名簿を使ってしまうと、仕事上の大きなミスにつながってしまうかもしれません。オートフィルも便利ですが、ROW関数もぜひ取り入れてみてください。